烙印の紋章 たそがれの星に竜は吠える - 杉原智則

あらすじ

剣闘士から一国の皇子へ──。 杉原智則が贈る、新ファンタジーが登場!

かつて高度な知能を持った竜が支配し、魔素を利用した文明に支えられた世界。 十年の間、戦争を繰り広げてきたメフィウスとガーベラは王族同士の政略結婚により、その長い戦いに終止符を打とうとしていた。 幼い頃、戦争により故郷を追われ剣闘士となったオルバは、瓜二つの容姿をしていることから、婚礼を控えた、うつけと噂されるメフィウスの皇子とすり替わることになる。 一方、勝気なガーベラの姫・ビリーナは、皇子を篭絡して自国の利益を図ろうとひそかに決意する。 そんな二人の婚礼の途中、何者かの襲撃があり!? 二人の思惑と和平の行方は──?

感想

世界観や舞台設定は、割りと王道な剣と魔法のファンタジー。奴隷として剣闘士となった主人公・ギルが、メフィウスの王子となり、国家間の争いごとなどにに巻き込まれつつ才覚を発揮していくというもの。しかし、魔法自体はあまり一般的なものではないようで、戦闘において魔法が使用されることは少ない。

文章力がありしっかりと描写をしているので、ライトノベルとしては比較的重厚感のある文体。ただし、戦争シーンはややご都合主義な感もある。もう少し智謀を駆使して戦いを期待してしまった。

プロット(ネタバレ)

  • メフィウスとガーベラとの戦争が起きる
    • 兄・ロアンが徴兵されオーバリー将軍の砦に向かうが、将軍に見捨てられ生死不明
    • ガーベラ軍に村を襲われるが、同じガーベラ軍のリュカオンに助けられる
    • メフィウス軍のオーバリー将軍から襲撃を受け母は死にアリスは行方不明となる
  • オルバは窃盗などを行い生き延びるが仲間の裏切りにより捕まり奴隷として剣闘士になる
    • メフィウスの王子ギルと似ていることから魔術で作られた鉄仮面をつけられる
  • 2年後、メフィウスの王子ギルはある事件がきっかけで殺される
    • メフィウスの貴族フェドムはたまためその場に居合わせオルバを王子の替え玉にする計画を立てる
  • 王子のフリをしたオルバはガーベラの姫・ビリーナとの婚礼の儀式に向かうが、そこで何者かの襲撃を受ける
    • 襲撃はガーベラの将軍・リュカオンによるものと判明、リュカオンは砦を乗っ取り反乱を起こす
      • オルバはこれを討つを命じられ戦場へ
      • 一計を案じ、剣闘士・オルバとして砦に侵入しリュカオンを討つ